矯正歯科こぼれ話⑥【姫路で矯正歯科・小児歯科・審美歯科のことなら デンタルクリニックカルミア】
こんにちは、デンタルクリニックカルミア院長の上野です。
今日も前回の続きで矯正歯科の歴史について紹介します。
Edward H. Angleは20世紀初頭において矯正歯科の最重鎮として君臨しました。そして、彼の矯正治療概念・手法が当時のスタンダードになっていました。
当時の治療概念に関連して興味深いのは、歯を抜いて歯を並べるか、歯を抜かないで歯を並べるかについてです。
Angleは矯正治療において歯を抜くことは断固反対していました。
色々真面目な理由が後世に伝えられていますが、実は自分の愛人、後に再婚する相手である女性の矯正治療で抜歯を試みたものの、歯を抜いて出来たスペースを閉じ切れなかった経験が原因とも言われています。
矯正歯科学界に多大な貢献をした後、Angleは1930年に亡くなりました。その前後からAngleの弟子であるCharles Tweedがアメリカ矯正歯科において頭角を現し始めます。
彼は矯正治療後の後戻り・顔面の審美性の低下(出っ歯等)を懸念して、矯正治療に抜歯を積極的に取り入れるようになります。これにより約1950年まで、今度は逆に矯正治療で抜歯を行うことが主流概念になりました。
実は歯を抜いたほうがいいか否かの議論は現代まで未だに繰り返し続けられており、現在大半のアメリカの矯正歯科医はどちらか一方に偏ることを避け、ケースバイケースで対応しています。
つまり、患者さんにとって矯正治療で最も利益が得られるように、抜歯をするかどうかを判断しています。