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2017年11月17日

矯正治療の対象となる不正咬合の種類

八重歯・乱杭歯(叢生)不正咬合の種類
犬歯などが飛び出して他の歯と重なっている状態です。顎の大きさと歯の大きさのバランスが悪いために、歯がでこぼこに生えたり、重なったりしている状態です。歯を磨きにくく、そのためむし歯や歯肉炎を起こしやすくなり、重度の症状まで発展すると、若くても歯を失う可能性があります。小児期に治療を行いあごの成長を利用して永久歯のスペースを確保すると、抜歯治療の可能性を大きく減らすことができます。

出っ歯(上顎前突)不正咬合の種類
上の前歯が大きく前突している状態です。遺伝や指しゃぶり、口呼吸が原因とも言われています。「単に前歯が出ている」「上あごが大きい」「下あごが小さい」という3タイプの症状があり、それぞれ治療法が異なります。7才ぐらいに予測できますので、小児矯正を行うことで、将来的に永久歯を抜かずに矯正治療を行えたり、上下のあごのバランスを整えることも期待できます。無理なく口が閉じられる状態にするために、歯を抜いて矯正した方がよい場合もあります。

受け口(下顎前突・反対咬合)不正咬合の種類
下あごが出ている状態です。成長期の受け口は顔の成長にも大きく影響し、上下のあごの成長のバランスが崩れ、三日月のような顔立ちになる可能性が高まります。永久歯の生え替わりやあごの成長のバランスを診ながら、矯正開始時期を見極める必要があります。軽度の場合、前歯の生え替わりの時期に自然に治る場合もあります。骨格的に下あごが非常に大きい場合は外科手術を併用することがあります。

咬み合わせが深すぎる(過蓋咬合)不正咬合の種類
咬み合わせが著しく深い状態で、上下の歯を咬み合わせたときに、上の前歯が下の歯を覆ってしまい、ほとんど見えないようなケースです。笑ったときに上顎の歯肉が見えてしまったり、下の前歯が上顎の内側の歯肉を傷つけて炎症を起こすこともあります。放置すると顎関節症になる場合もあります。

しっかり噛んでも隙間ができる(開咬)不正咬合の種類
奥歯は噛んでいるのに、上下の前歯が開いたまま噛み合わすことができない状態です。指しゃぶりや口呼吸、舌で歯を押す癖などが原因と言われています。息が漏れるので発音が悪く、また物を食べる時に前歯でうまく噛みきれないなどの影響が出ます。矯正治療と並行して食べ方や飲み込み方のトレーニングも行い、治療後の後戻りを防ぎます。

すきっ歯(空隙歯列・正中離開)不正咬合の種類
歯と歯の間に隙間がある状態。審美性が悪く、食べ物が挟まりやすくなります。あごに対して歯が小さすぎたり、歯が欠損していたりすることが原因です。舌で前歯を押す癖で生じるケースもあります。人工歯で隙間を埋める治療もありますが、軽度であれば部分矯正で改善することができます。

お子さまの歯並びが気になる方へ

当院では、お子さまの成長を利用した無理のない治療をご提案します。

小児矯正

小児矯正では、あごの成長や発育を利用した治療計画をたてることができます。
将来成人矯正を行う場合でも、先に小児矯正を行うことで、よりスムーズに成人矯正へ移行できる可能性があります。

●小児矯正のメリット
・あごの成長を利用して、その位置や大きさを治すことができる
・永久歯への生え替わりを利用できる
・歯並びについてのコンプレックスを早期に軽減できる可能性がある

●デメリット
・治療を受ける本人の自覚が低いことがある
・成人矯正へ移行する場合は治療期間が長くなる可能性がある

将来を考えながら、お子さまの負担の少ない矯正を行います

まず骨格の検査を行い、両親のお顔立ちを確認し、お子さまの年齢や成長、性格、生活習慣などを検討し、「歯磨きがどの程度できるか」や、治療への協力具合なども勘案して治療計画を立てます。

治療期間中のむし歯対策を重視します
矯正治療中は定期的な診療とメインテナンスを行い、毎回むし歯予防としてフッ素を塗布するとともに、効果的で続けられる歯磨き指導を行います。お子さまの体調や生活スタイルの変化にも柔軟に対応し、矯正治療がよい形で継続できるように心がけています。さらに矯正治療の進行度や、お子さまの成長をきめ細かくチェックし、将来の治療(Ⅱ期)へスムーズに移行できるように配慮しています。

保護者の方に知っておいていただきたいこと

遅くとも6歳までに、歯並びのチェックをしましょう
早期にあごの成長を促すような矯正をしておいた方が良いか、しばらく成長を見守る方が良いか、専門家である矯正歯科医のチェックが必要です。特に、親御さんや上のご兄弟(姉妹)の歯並びが悪く心配な場合などは、早めに診察を受けられることをお勧めします。

様子を見守る場合も、お子さまの成長は早いため、1年に2〜3回のチェックを受けてください。乳歯の受け口(反対咬合)は永久歯への生え替わりの時期に自然に治ることもありますが、歯並びが気になる場合、6歳までに矯正歯科医の診断を受けましょう。

乳歯を大切にすることが、永久歯の歯並びにつながります
歯と歯の間がむし歯になると乳歯のすき間が狭くなり、永久歯の生え方にも悪影響を及ぼします。将来のあごの形や歯並びに関わる乳歯のむし歯にも注意が必要です。また、口呼吸や指しゃぶり、爪噛みなどの悪習癖も歯並びに悪影響を与えますから、気になるクセや習慣は早めに治しましょう。

永久歯の生え方にも注意しましょう
乳歯の時は問題が無かったのに、永久歯の生え方が悪いことや舌のクセがきっかけで、受け口になってしまうことがあります。また乳歯が抜けていないのに、乳歯の下から永久歯が生えてくることがあります。乳歯から永久歯への抜け替わりの時期は定期的にチェックを受け、早めに適切な治療や処置が受けることが重要です。

知っておきたい 理想的なよい歯並び

よい歯並びとは、永久歯28本(親知らずを入れると32本)がきれいなアーチ状に並び、でこぼこがなく、上下の歯がしっかり咬み合っている状態です。
・上下の前歯の中心がそろっている
・上の前歯が下の前歯の3分の1程度を覆っている
・顔の中心と歯の中心がそろっている
・上の奥歯と下の奥歯がしっかり咬み合っている(上の奥歯が外側)
・鼻の先と下あごの先を結んだEライン(エステティックライン)に対して、上唇は線のやや内側に、下唇はほぼライン上にある


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